2011年5月 卓球支援物資
 
 宮城県では,5月下旬から6月上旬にかけて各地区で中総体が行われます。そこで上
位に入賞すると7月の県大会に出場できるという仕組みです。
 
 「地区・県の中総体を行う!」と喜んだのもつかの間,この時期になると各地区の部
活動関連の被害状況が続々と明らかになり,その大きさに愕然としました。沿岸部の地
域では,ラケットもユニフォームも失った,ボールが無い,部費が予算化されない,等,
事態は非常に深刻。ラケットも無くなって部活に姿を見せなくなった3年生もいる。新
入部員が入部したが,卓球ができない。とても5月下旬に地区総体を迎えられる状況で
はありませんでした。
 
 この段階で把握できた状況は,物資の不足分だけでも,ラケット350本,ユニフォ
ーム300着,ボール1200ダース,卓球台,ネット・サポート,シューズ,・・・・・。
 
 完全に行き詰まり,思い切っていくつかの卓球メーカーさんに電話で支援を依頼し
たところ,膨大な量を依頼したにもかかわらず,何と,快諾いただきました。程なく巨
大な段ボール6箱分のラケット,ラバー,接着剤等,必要なものが全て届きました。こ
れを自校で授業を行っている学校には直接送り,複数校に分かれて授業を行っている
学校には近隣の学校から届けてもらう等,送付作業を行いました。また,ユニフォーム
を支援してくださるメーカーさんは,支援要請を随時受け付けてくださり,直接要請校
に送ってくださるなど,あっという間に各校に物資が行き渡りました。
 
 物資が届いた学校からは,「3年生全員が揃いのユニフォームで最後の中総体を迎え
られます!」と喜びの声が届きました。
 
 ラケットを持ち,揃いのユニフォームで大会に参加する。これまでは当たり前だと思
っていたことの大切さに改めて気付き,それを支えてくださっている方々の心意気に
涙が出ました。