2011年12月 「被災地支援卓球イベント」
 
 全国の卓球人が,被災地のために力になりたいという思いをたくさん届けてくださいました。
 
 ここではたくさんの中から2つを取り上げてご紹介します。
 
① 「復興応援キリン絆プロジェクト 協和発酵キリン卓球教室」
 
2011年12月13日
 
 日本リーグのトップチーム「協和発酵キリン」の男子卓球チームが,忙しい試合日程の合間を縫ってフルメンバーで気仙沼市を訪れ,卓球イベントを開催してくださいました。日本リーグの選手が目の前で本気の試合を披露したり,中学生一人一人を相手にした試合や,お楽しみ抽選会等で,被災地の卓球部員に「元気」を届けてくださいました。
 
 何よりも,日本トップレベルの卓球を生で目にした中学生の,あの輝く目を忘れることができません。
 
 また,参加者全員にボールのプレゼントや,イベントのために持ち込んだ卓球台やボールを開催地にそのまま寄付してくださるという,本当に有難い支援付き。物心ともに,宮城卓球界の復興を支えてくださいました。
 
 このイベントは4年間にわたり,東北では岩手・宮城・福島で年間10回以上開催。宮城では合計9回も開催して頂き,2014年5月仙台教室(参加300人超)に至るまで続きました。
 
 
② 「水谷隼選手 被災地支援卓球交流会」
 
2011年12月18日
 
 日本のエース水谷選手と,当時の学生王者神選手が,被災地の卓球支援に立ち上がりました。この日,仙台市立中学校体育館で行われた「水谷隼選手 被災地支援卓球交流会」には,日本のエースの卓球を一目見ようと,宮城県内中学校卓球部員総勢なんと874人が参加しました!体育館に到底入りきれる数ではないため,午前と午後の2部制を打診したところ,水谷選手から快諾いただきイベントが実現しました。
 
 スポンサーの日本製粉株式会社様からは,被災地からの往復バス8台に,バスの中での食事,パスタのお土産(後日,パスタ専用フライパンまで!)までご準備いただきました。被災地の目線で寄り添って頂いたことに心から感謝しております。
 
 水谷選手,神選手の入場から大いに盛り上がり,水谷選手の本気のサービスを受け異常な方向にボールが飛んでいくのを実感し,神選手の本気のスマッシュを受け,両選手にミニマッチをしてもらうなど,心から卓球を楽しんだ1日となりました。
 
 それから4年後の2015年1月18日。卓球日本一を決める全日本選手権男子シングルス決勝でこの水谷・神両選手が激突しました。当時中学生だった生徒をはじめ,宮城の卓球人は被災地イベントの事を思い出し,特別な思いでこの試合を見つめました。
 
卓球王国 2012年3月号より